2005年05月15日

GO

GO
監督:行定勲

 在日韓国人の葛藤と恋のお話。世界観にちょっと古臭さを感じるんだが、在日と括られてしまう人に知り合いがいないからか?あと、映像もなんか焼付けがきつくて古びた感じはそこからも受けた。いつもと違うモニタでみていたからかもしれないが。

 最初からしつこく言われるように、結局「恋の話」だから最終的には在日韓国人と日本人が付き合うに当たっての乗り越えるべき壁みたいなものが描かれるんだけど、映画に描かれていたのは、日本人が超えるべき壁ではなくて、「在日」が超えるべき壁を描くことで、「お前ら日本人はどうなんよ?」というものを突きつける構成をとっている。
 そこには恋愛をするにあたってだけではなく、同じ日本に住む韓国国籍の人たちの生活上での葛藤も含まれる。
 こういう構成は、うまく出来ているなと思うんですよ。在日と日本人という二者においては、上下関係(隷従とかそういうきついものではなく、法律的な制限やマイノリティとマジョリティの違いという意味で)が生まれる。上が下へ向くのは施しや憐憫になりがちだけど、それをこの手の映画では全く表現せず、下が上への壁を突き上げることによって、観客としては多いであろうマジョリティ側に対して揺さぶりをかけるっていう構成がね。

 ただなんだろ、恋愛シーンとかいらない?恋愛のための隔たりよりもそれ以外の隔たりを描きすぎていて、マジョリティの代表である彼女の心境とか、窪塚との会話で柴咲コウがどう影響受けたのかは、ほとんど描かれないんで。それだったら無理に青春映画の1シーンとして別に恋愛を含める必要もなかったかなと。いや、お決まりなのはわかりますけど。
 僕は窪塚の役柄って好きなんですよ。人をくったような態度をとりながらも自分の信念は持っていてそれに対してはひたすらに突っ走る、っていうね。その意味で、窪塚自身も力を入れていたというし、クドカン脚本から期待される爽快感みたいなのは得られるんで、それでも十分なんですけど。

以下、台詞の覚え書き

「こういう世界に閉じ込められて自分を見失わないため」
「自分の国の名前の意味も知らないんです。そういう国も珍しいって」
「国境線なんて俺が消してやるよ!」

#そういえば、窪塚が復帰するそうで。復帰を期待していなかっただけにちょっと楽しみです
posted by なす at 15:16| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月01日

阿修羅のごとく

阿修羅のごとく
監督:森田芳光

 ドラマを再放送でみたのは高校生の頃だったか。大筋だけは覚えている程度だけど、辛気臭いドラマだけど4姉妹の表向きは概ね仲良く、裏ではちょっとギスギスした関係とか、母親の投書のエピソードとかはお気に入りでした。

 ドラマとはたぶん細かいところで色々違うんだろうけど、同じストーリーのものを年を経て再度見るっていうのは面白いですよね。
 一つ当時と違った見方として父親の存在があって、4姉妹を育ててそれぞれ結婚していった父親の気持ちやいかに、というのがありましたね。その意味で映像の中では4姉妹と母親が描かれがちで、存在感のある父親ではないんだけど、僕にとってはインパクトがありましたね。仲代達矢いい味だしてます(*^ー゚)b

 役者についていえば、何も申し分ありません。4姉妹は深田恭子以外は折り紙つきの女優さんですし。四女は年頃からいっても、長女次女などの年柄の女優と絡ませるには配役が難しそうな気もしますが、深田恭子もあれだけできていればよろしいのではないでしょうか(ちょっと偉そうですが)。ただ中村獅童にはちょっと首をひねってしまいました。意味がわからないです。あれは監督が求めていた役柄だったんでしょうか。口下手を演じるのは難しいのかもしれないけど、口下手とかではなく頭の弱い人みたいに見えます。あれをイコール口下手とするなら、口下手として自分も他人からそう見られているのかと不安になりかねない。

 まぁ話の結論はしってるわけだし、それほど展開のあるストーリーになるはずもなく、別に映画ではなく2時間ドラマでよかったのではないかと。特番のドラマとしてなら普通に面白かったです。

 あとドラマでも有名な『阿修羅のごとく』のメインテーマ「ラジオのように」ってフランス語の曲なんですね。今更ながら今回はじめて知りました。昭和50年代のしかも静かな住宅街しかでてこないような映画なのにしっくり来るもんなんですね。まあこれは映画というよりドラマの継承なんでしょうけど。
posted by なす at 03:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

MIND GAME

MIND GAME
監督:湯浅政明

 たぶん現在におけるアニメの1つの極致だと思う。ものすごい勢いだわ。アニメで表現できる、もしくはすべき絵柄を極限まで活かし、ノリとスピードで乗り切っていく映画です。
 色使いはありえないくらい派手だし(人とか上から下まで緑とかそういうのもある)、遠近感だってむちゃくちゃ(というか、ものすごい広角が基本にあって、そこからなんか遠近逆な代物とかがでてくる)、絵柄がころころ変わる(アップは実写を加工したもの(だと思うんだけど)を使ってみたり、神様とかはころころイメージが変化していく)ととにかくあらゆるものを強調しまくった作品。例えば、人が正面からはしってくるところとかは、カメラを下から上に向けて撮影していて、足が手前にでてくるところとかはありえないくらい足が大きく写るとか。

 作品自体は人生賛歌。人生はすばらしい。思いさえ強ければ失敗したって、いくらでもやり直しができるよと。そこに作画の強調を含めることで、要は気持ちの持ちよう次第で人生はこんなに面白くなるんだというもの。大阪弁とかもそういうところに一役買ってるんだろうな。
 たぶん作品の主題とかを意識しなくても、このアニメはそれをイヤでも見せられるでしょう。でも、そういうこと抜きでアニメというエンターテイメントを楽しめる作品です。

#自分アニメータじゃないけど、これの作画大変そうだけど、面白そうだよな。でも制作はやりたくない。よほど管理体制しっかりしてないと、かなりきつそうだわ。
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2005年04月27日

木更津キャッツアイ 日本シリーズ

木更津キャッツアイ 日本シリーズ
監督:金子文紀

 普通にドラマの延長で観てた…面白かったです

 4月入ってからIWGPを観たくてDVDを借りて観てることを人に話したら、木更津キャッツアイの方が面白いということなので、流れで日本シリーズまで借りてしまいました。
 実はまだ本編の方は見終わってなくて、6話までをみただけ。だから、ウッチーの家とか知らないし、セツ子さんと公助の関係とか知らないことがぽろぽろと・・・

 野球になぞらえて表裏を繰り返す演出は映画でも健在で、あの形式で飽きもせず延長までうまく観ている側をひきつけられるのは、すごいですよね。
 最後の木更津キャッツアイのテーマをBGMにしてエンドロールが流れ始めてから延長に突入するときとか、酒井若菜が鑑賞の目的の一部に入っている人間にとっては誰もが「あれ?モー子は?」という思考が働いたその瞬間に、あわせたかのように切り替えが起きたのはヤラれた気がします。
 まぁ正直黒モー子のいる島とか延長のゴミンゴはやりすぎな感が否めないんだけど、そういうところは非TVドラマ的ネタということで必要な設定だったんでしょうかね。

 平岩紙かわいいけど、このシリーズの役柄はちょっとついていけないです。売春してたときはいいんだけど、ウッチーと付き合いだしてから感化されたのか。
posted by なす at 02:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月25日

LOVERS

LOVERS
監督:Zhang Yimou

 チャン・ツィーは好きです。仲間由紀恵も好きです。どう見てもこの二人は同じにしか見えないです…ってそこまではいいすぎですが、ものすごく似ていると思うのですが。

 たぶんこの作品はHEROと比較されることが多いのではないかと思うんですけど、チャン・ツィー好きとして今作のほうが好みです。チャン・ツィーをいっぱい堪能しました(*^-^*)

 チャン・イーモウの作品はその2作しか観てないんですけど、それらに限っていえば、各カットを魅せる映像の撮り方をしますよね。もちろん流しのカットとかはあるんですけど、耽美なカットが多い。印象に残ってるのは、チャン・ツィーが牢獄でなんかに繋がれてぐったりしているところと、緑の合間に作られた水だめに浸かるチャン・ツィーのアップ。あと、竹で身動きが取れなくなったチャン・ツィーとか。・・・冷静に見られてない?まぁ竹で身動きがとれなくなった金城武は別になんとも思わなかったんで、否定はできないっすね。
 でもインサート的に用いられるカットもいちいち美しいしそういうカットが多いのは間違ってないはず。

 あと遊郭の内装や衣装といった人工的な装飾品もすごく綺麗でした。最初全編通してああいう装飾の中でストーリーが展開されるのかと思ってちょっとどきどきしていました。

 作品はHEROに比べるとかなり出だしのストーリが明確で入り込みやすいです。ただラストのどんでん返しは、アンディ・ラウが『飛刀門』の一味というところまできた時点で、一気に萎えました。金城自身がチャン・ツィーを騙している、というのを別にすれば、すべての化かし合いは10〜15分くらいの間に一気に展開されたんじゃないかと。ちょっと急すぎてもうどうでもいいや、という気分にさせられます。
 あと、金城が味方の将軍直属の兵士を殺すときにちょっとした葛藤が生まれるんですけど、それもなんか流された感が否めない。あ、でもそのときにアンディ・ラウが「俺のほうがつらいんだ」的なこと言ってましたけど、今思うと金城とチャン・ツィーの関係が密接になりつつあるところとかも示唆してるんですかね。全貌を見据えた上で再度見直すと面白いかもしれませんね。

 まぁ、結局のところ、そういうのは全て関係なくて、タイトル通りのところに落ち着かせるということなんでしょうか。最後のアクションシーンは緊張感がなくなっていたこともあって、笑って観てました。なんつうか典型的だし、アンディ・ラウが去りゆく姿はちょっと面白かったです。
posted by なす at 00:33| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月14日

スパイ・ゾルゲ

スパイ・ゾルゲ
監督 篠田正浩

 一人の人間をタイトルにしているにも関わらず、そこから想像される世界観はものすごく広いので期待していたのだけど、正直見なくてもよかったかな。3時間は長すぎるし無駄な時間だった

 結局見せ場がなんなのかはっきりしなかった。最後のゾルゲの「国際共産主義万歳!」からレーニン像破壊(ソ連崩壊)とベルリンの壁倒壊の場面を流すことでノスタルジーを誘おうというものかもしれないが、それならゾルゲが共産主義に傾倒する部分がなさすぎる。その意味でソ連から2重スパイの疑いをもたれながらも危険を冒してスパイ活動を続けるゾルゲの心理も全く見えないし、ゾルゲの最後の言葉は荒唐無稽にしか聞こえないです

 最後ジョンレノンのイマジンが流れるけど、昭和のあの時代に、スパイとして反国家的活動をしていても、祖国を思い、恋人を思いながら、平和を渇望していた人たちがいるよ、とでもいいたいんでしょうか(w

 あと細かいところなのかもしれないけど、なんでみんな英語なのか、と小一時間問い詰めたいです。最初、尾崎とゾルゲが会話するのに都合がいいのは英語なのかなと思ってたけど、ドイツ大使館内とかクレムリン内でも英語で会話されていたのは、違和感アリまくり。そりゃ西洋の顔した人たちが吹き替えとかじゃなく普通に日本語でしゃべってたら、もうどうしようもない気はするけど、一緒くたにしすぎ。僕も英語わからないけど、聞いてればニュアンスでドイツ語なのかロシア語なのかはわかるし、日本の教育を普通に受けてれば英語かそうじゃないかくらいはわかるでしょう。観客に対して、その辺どういう意図があったんでしょうか

 否定してばっかりだけど、昭和の町並みのCGと効果音含めての音楽は結構良かったです。近所迷惑無視して、大音量でマルチサラウンド楽しんだ甲斐はありあました
 でも長すぎ・・・続きを読む
posted by なす at 01:30| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月13日

恋の門

恋の門
監督 松尾スズキ

 これも前から見たかった映画。松尾スズキ監督で酒井若菜がでているとなれば、見ないわけにはいきません。酒井若菜やっぱ可愛いわ。平岩紙も(・∀・)イイ!二人のツーショットとか最高です。って何をみてたんだか・・・(・_・;A

 松尾さんの演劇は2回見せてもらっていて、両方とも雰囲気は違うんだけど、単純に笑いを追求できる点と台詞の言い回しのくささ(良い意味で)には共通点があるように感じました。映画であそこまで滑稽におおげさな台詞を吐かせるっていうのはなかなかないっしょ

 今を題材にしているのに、常にどこかで現実離れしていて、少なくとも感情移入とかそういうものは全くなく、ただただ楽しく見てました
 すげートレンディドラマ(今こういう言い方しないカナ?)なカットがあるかと思えば、その直後に一気にそれを覆すカットが続くか、上述のような大仰な台詞をはかせることで、ある種映画的にピュアなカットを上書きしていく感じは面白いですよね
 江本純子さん扮する佐良が最後のほうで「王道からの暴走」といってたけど、この作品自体それに当てはまるな、と一人納得

 いやーしかし役者がすごいわ。カメオな方々が、役者として有名なところから、他業種の方々までふんだんに散りばめられていて、そういうのを追っているだけでも退屈せずに、あっというまに見終わってしまうのではないかと
posted by なす at 01:06| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月12日

ビッグ・フィッシュ

BIG FISH
監督 Tim Burton

 ユアン・マクレガー主演(といっていいものか?)だし、感動作ということなので、劇場公開中に観ようと思いながら、見逃した作品

 最初はちゃちなお伽話をえんえん聞かされて、ものすごく退屈。何度途中で見るの止めようかと思ったことか

 以下ネタバレ

 付加価値をつけて話をおおきく面白くしようとする父親に、子供の頃から聞かされてきた父の虚栄の冒険譚に辟易し、本当のことを知りたいと願う息子。この二人の絆を描くストーリーなのだけど、それがわかるのは本当に最後の最後
 まず冒頭のほうで、魔女に会いに行く父の幼き頃の冒険が語られるが、実はこれがラストのキーになるとはちょっと思いつかなかった。自分ちょっと頭弱いな、とか思ってしまったくらい、伏線がいっぱい張られていたはずなのに...でもあのラストは正直うまいな、と感じた。ちょっと涙腺緩みかけましたよ

 まず魔女に自分の死ぬときの姿を教えてもらうが、そのあとの空想の冒険の中で危険な目にあうたびに「違う、これは僕が見た死に方ではない」というメッセージが与えられ、何度も危機を回避していく。それほどに父の死に方というのは、この映画を通してキーとなってくる
 そしてラスト、本当に病床の父が病院で死ぬ間際に、同じメッセージを発し、そばにいる息子に魔女に見せてもらった死に方を話してくれと願う。息子はその話だけは聞いてないんだと困惑しつつ、一番嫌っていた父の虚栄癖を真似て、親父発信のお伽話ではなく、息子自らが話を作っていくという件になるのですが...ぶっちゃけ正直ちょっと首を上に上げて、涙がこぼれるのを防いだりしてました

 そうして、父親の葬式の参列者の中にお伽話のなかでしか語られなかった人たちを、息子たちが目の当たりにする。父親にとっての現実(家族)と空想(家族以外)が一つになる瞬間が設けられる
 空想の中の人たちはもちろん、自分の背丈の倍もあるような巨人だったり、胴から上が二人で足は一人分しかないような双子ではなく、通常よりも背丈のある人だし普通の双子なんだけれど。息子にとっても全てがウソではないんだと知る機会になるし、観客もくだらない空想が、実はさらにくだらないかもしれない現実よりは面白いんだと気づかされることになる

 2時間映画のラスト30分切ってるんじゃないかというところまで延々と我慢させられるが、以上2点の感動と主題を味わうためにも必要な我慢です。オススメ
posted by なす at 02:44| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブレアウィッチ・プロジェクト

The Blair Witch Project
監督 Daniel Myrick & Eduardo Sanchez

 今更ながらというか、ようやく観ました。何度DVDを借りつつ観ずに返したことか...

 ブレアウィッチ伝説のドキュメンタリーをとっていた学生三人が森で行方不明になり、その後見つかった彼らが録画していたものを編集したという設定の異色の映画。真実味をもたせる意味ではうまい設定だし、なんでも役者たちもきちんとした台本ではなく、おおまかなシーンがあって、そこで役者任せの演技をさせていたとか
 目線は学生三人が回しているカメラ目線で手ブレとかもあり、とことん真実味をもたせる演出にこだわっていて、その点では今でも新鮮味があります。ただ観客にそれが恐怖に繋がるかというと、ちょっと疑問。ドキュメンタリーとして信じ込めれば、確かに怖い。作り物としてではなく、本当にあったこととして普通にTVで特番として、これが報じられていたらめちゃめちゃ怖い話でしょう

 ただ恐怖を与えようとする演出としては弱いし、また真実味を追求するという点でも、あそこまで追い詰められてカメラを回そうとするヘザーの心理が飲みこめず、不満が残った
 ラストもいまいち不明だし。あの状況下で深夜(?)に今まで見たこともない家が出てきて、仲間の声がするからと、部屋の中を駆けずり回れるものなのかしら。狂った?

 ちなみにDVDのケースか何かに、鑑賞後気分が悪くなることがある、というような注意書きが書いてあって、最近目が疲れやすく、しかも乗り物酔いしやすい僕としてはちょっと不安があったけど、とりあえず大丈夫でした
posted by なす at 01:50| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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